英語の発音習得の誤解
この記事では、声を聞いただけで口の開き、舌の動き、喉、胸、お腹の使い方まで言い当てる神耳を持つ講師が、これまでに発音矯正に特化したレッスンを約2,000回行った経験から語ります。多くの学習者が誤解していると感じたことや、おそらく聞いたことがないであろうことを絡めて、発音を学ぶ上で知っておくべきことを紹介しようと思いますので、発音を良くしたいと思われている方はぜひ読んでください❗
なお、この記事は独自の「文発音メソッド」で英語の発音を教えている僕の経験の範囲内での意見ですので、参考資料のひとつとしてお読みください。ひとつの趣旨でひとつのブログに収まるように書いているので、もちろん割愛事項がたくさんあることもご留意くださいませ。
ところで、2021年4月現在、Buddy's English College の発音矯正コースでは新年度スタートキャンペーンを実施しています。ぜひリンク先から詳細を確認してくださいね❗
この記事は次のように進みます。
1. 細部を気にしても発音はあまり伸びない
2. カリキュラムが組まれた発音レッスンでは限定的な伸びしかない
3. 講師に発音の間違いを指摘されてもピンとこない
( ↑ このブログで最も重要 )
では以下でそれぞれの詳細をお読みください!
1. 細部を気にしても発音はあまり伸びない
これまで教えてきた生徒さんの半数以上の方が、なんらかの方法ですでに発音を学んだ経験を持っていました。YouTube、本、発音矯正のサービスなど様々です。その多くの場合、学んできた事柄は口の開け方、R の発音の仕方など、学習者がその都度気になった英語の発音の「細部」ばかりです。しかしこの細部ばかりを気にしても思うほどは上手くいかなかったり、別の違う音を発してしまうだけになることがあります。
✅ なぜ正しい発音にならないのか
これは土台となる発声の仕方を学んでいないからです。発声と言っても学ぶことがいくつもあるのですが、これを知らずに細部の「コツ」や「テクニック」を学んでも、そもそもの大元の音が違うので、正しい発音になりません。
またこの「土台」にあたるところをきちんと教えている発音矯正レッスンなどは、どうやらあまり多くはないようです。これは僕が調べたわけではなく、これまでの受講生の体験談から聞いたのですが、4社、5社と回って最終的に僕の「文発音メソッド」に出会い、やっと伸びたという受講生が何人もいます。
これは多くの学習者や、学習者の満足度を意識した指導者が「パッと分かって、すぐに発音が良くなる要素」ばかりを求めているからかもしれません。しかし英語とは関係のない他の分野同様、「コツ」や「テクニック」のほとんどは「木を見て森を見ず」という言葉が表すように、大事な全体像を無視していることになります。そして多くの学習者は英語の発音において、その全体像の存在自体を知らないのかもしれません。
僕が提唱する「文発音」はまさにその「森」から学ぶようなもので、それを通してを学ぶことで、いつの間にかたくさんの細部もできるようになります。また、以下に動画を挿入しますが、そこではほぼ森しか教えていない受講生が3時間足らずで一気に発音がよくなるのが分かります。(もちろんこの時点ではたった3時間しかやっていないので、もっともっと練習する必要があります)
✅ 例えば口の開き方で言うと
一例ですが、僕が提唱する「文発音」では口の形は二の次、三の次です。以下の before after の動画を見ていただければ分かりますが、口の形や開き方は完全に無視して指導しても、たった3時間足らずでここまでの変化が起きています。
では口の形を意識することは無意味なことなのでしょうか。決してそうだとは言いません。いくつかの特定の文字の発音においては、口の形は個別にきちんと抑えておくべきです。しかしながら多くの場合において、口の形というのは他のことをすると、自然と特定の開き方になったりもするので、詳細に学ぶ必要はあまりないと考えています。教える側の心情としては、すべてにおいて理屈やルールを説明できると「説明した!」という満足感が得られますが、それが果たして学習者の実益につながっているかというと、全くの別問題です。
2. カリキュラムが組まれた発音レッスンでは限定的な伸びしかない
ここでは特に短期のものについて話しますが、カリキュラムが用意されているレッスンの多くは、基本的に生徒の習熟度を無視してカリキュラムの進行を優先します(段階を踏んだ長期的なプランを提供しているスクールもあると想像はします)。本気で発音を伸ばしたい人には不向きでしょう。ものすごく音感が良くて、すぐに吸収してしまうような人ならそれでも良いのかもしれませんが、そんな人はほとんどいません。そのようなレッスンで手に入れられるものは、基本的には音声学上の知識のようなものです。極端に言えば、つまりは発音の取扱説明書を読んで、軽く発音を試してみるようなものです。(決してそれが無駄だとは言いません)
英語学習を長く続けた人であればすぐに分かると思いますが、文法にしても単語にしても、同じものを何度も何度も見たり書いたりしているうちに、徐々に自分にとって自然なものになって行きますよね。スキルを伸ばそうと思うと、どうしても時間をかけた反復練習が必要となります。
✅ 人によって伸びる速度は全然違う
本校 Buddy's English College では、「何を学ぶか」は明確にしていますが、「何回レッスンをすれば良いか」は幅をもたせて、あまり明確にはしていません。これはもちろん、伸びる速度の個人差があまりにも大きいからです。予知能力者でもなければ「あなたは〜回やればすごく上手になる」と言い切ることは不可能です。経験上、大体何回でどれくらいと言うことができても、実際にレッスンをしてみるとやはり違うことがあります。
他の様々な技術同様、英語の発音も繰り返し練習によって時間をかけて伸びていきます。日本語と英語では話し方が全然違うので、極端に言えば右利きを左利きに変えるようなもの。そのため僕のレッスンでは、同じ英文、フレーズ、単語など、受講生の発音を100回でも200回でもお手本付きでしつこく練習することが時折あります。発音指導ができる講師でなければ、こんなに何回も聞いてくれる人はあまりいないと思っていいでしょう。僕の学習者としての経験では、5〜10回も聞いてもらったら「もういいよ。だいたいできてる」と言ってウンザリした顔をされたことが何度もあります。そのため、当時の自分が求めていた指導を自分の受講生に提供するようにしています。
3. 講師に発音の間違いを指摘されてもピンとこない
今回のブログでは一番大事なことだと思って書いています。発音のレッスンを受けたことがある人の中にはこの経験をした人が多いのではないでしょうか。説明を聞いても「自分がしたいくつかの発音が、それぞれどう違うのかはっきりとは分からない」「ひょっとして先生の指摘がおかしいのかも」など、フラストレーションを感じる経験をした人もいると思います。同じ英文などを何度か発音しても、講師から「さっきのは OK。でも今のは間違ってる」と言われても、その違いが分からないということです。これではどうやって訂正すればいいか分からないですよね。これから発音を学ばれる方もきっとこれを経験するでしょう。その理由は何でしょうか。詳細をみていきましょう。
✅⚠️ 英語の発音と筋肉の使い方は切っても切り離せない関係
発音と筋肉が関係あるの???と思う人がたくさんいるかもしれませんね。実はこの2つの関係は、英語の発音を習得する上で最重要項目とも言えるものです。当然、英語の発音に必要と言われる腹式呼吸もそのひとつで、筋肉の使い方を学べばできるようになります。呼吸は筋肉を使って行っているからです。多くの人は漠然と分かると思いますが、日本語と英語では話し方が全然違います。英語を聞いて「速い」や「単語がつながって聞こえる」などと感じることがありますよね。話し方が違うということは、使う筋肉も、筋肉の使い方も違うのです。
✅⚠️ 日本語を話すときの筋肉の使い方の癖が出ている
右利きから左利きへの転換に例えられるという話をしましたが、英語の発音をするときには、日本語とは違う筋肉の使い方をします。そのため、慣れるまではどうしても日本語発話時の筋肉の使い方を基準にしてしまうので、自分ではちゃんとやっているつもりでも上手くいかないことがよくあります。これを乗り越えるには、とにかく諦めずに練習を続けるしかありません。では、どういうことに気をつければ発音は伸びるのでしょうか。
✅⚠️ 自分の声に対するリスニング力
今回のブログで僕が一番伝えたいのはこれです。平たく言えばただリスニング力ということなのですが、発音練習をあまりしたことがない人は、自分が英語を話しているときの声を客観的に聞いた経験があまりないと思います。そのため、間違った発音をしていても、そもそもそれが間違いであると認識できないということがよくあります。
発音習得の上で最も重要な2つの要素は
A. 発音を、実際に発音されているように正しく認識する能力
B. 認識した発音と同じものを生み出す能力
だと僕は思っています。A. は「かなり極端な例」を挙げると、絶対音感のようなものです。聞いた音が「ドレミファソラシ」のどれなのかを認識するかのように、正しい発音でも間違っている発音でも、それをきちんと認識する能力です(しかしあくまで絶対音感は分かりやすくするための極端な例です)。
B. は「聞いた音と同じものを、自分で調律して生み出す能力」です。実際に正しい音を認識できていても、同じものを生み出すことがなかなかできない場合があります。では、それは一体なぜでしょうか。答えは先述の「筋肉の使い方の癖」と、次の項目です。このことを「調律」という言葉で表しました。
✅⚠️ 筋肉の使い方と声の関係に気付けば、お手本の発音がより聞きやすくなる
先に述べたように、英語の発音を学ぶことは新しい筋肉の使い方を学ぶのと同じです。「〜のように筋肉を使ったときに、…のような発音になる」のように、自分の声について気付けるようになると、正しい発音の真似がしやすくなります。このとき同時に、お手本の正しい発音を認識する能力も上がっています。そのためにも、自分の声を録音して確認することは非常に重要です。このつながりに気付いていないと、なかなかお手本に近づけないことがよくあります。
「自分が思ったとおりに体を動かすことは難しい」とテレビタレントの武井壮さんも言われています。これとまったく同じことです。正しい発音をするには、いつでも思ったとおりに筋肉を動かせるようにならないといけません。そして最終的には、意識しないでできるようにならなければいけません。
ところで音の違いに気付けるようになるまで、つまりリスニング力が上がるまでの時間には個人差があります。その時間を少しでも短縮するには、やはり自分の音声の確認です。やり始めの頃はなかなか音の違いに気づかないかもしれませんが、その場合は我慢強く声と筋肉の関連を分析し、長期的な視点で自分のリスニング力の成長を見守りましょう。どれくらいの頻度で練習するのか、1週間、1ヶ月、2ヶ月などどれくらいの期間練習するのかによっても伸びの早さは全然違います。とにかく耳を慣らさなければなりません。
ちなみに、本校の発音矯正コースでは、受講生から発音レベルの向上だけでなく、「リスニング力が明らかに上がったのが分かる」とのご意見も、ほぼすべての方からうかがっています。ぜひご受講をご検討くださいませ❗
✅⚠️ 特に音感が良いわけではない人が普通
歌が上手な方、歌や話し方のモノマネが上手な方は発音の成長も速いです。これまでに数名のプロの歌手の方々にも指導したことがありますが、僕自身がうらやましいと思うほどに、聞いた発音がすぐにできてしまいます。これは上記 A と B の能力が高いと言うことですね。しかしこれまで数多くの方々に指導した経験から言うと、そこまで能力が高い方は少数です。
科学的根拠はありませんが、受講生との雑談ついでに調べてみた事があります。採点機能がついたカラオケでの点数が常に80点以上出ている方は、英語の発音の伸びが遅いということはなさそうです。あくまでも「おっちゃんぬ調べ」ですので、これを絶対的な根拠とはしないでくださいね。
さて、今回のブログは以上です。少しでもみなさんの気付きにつながればと思います。また僕が生み出したメソッド「文発音」による発音矯正をご要望の方はぜひコチラからサイトに行って詳細を確認してください❗2021年4月中は、新年度スタートキャンペーンもやっています❗ぜひご受講くださいませ❗
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